よくある質問 Q&A

 ▼Question


  1. 図書館でコピーサービスはできますか。


  2. 権利者の了解なしにコピーサービスができるのはどのような図書館ですか。


  3. ある医学雑誌に掲載された論文をコピーしてほしいと依頼がありました。著作権者の許可を得ずにコピーしてもよいですか。


  4. 図書館のコピーサービスは、著作物の一部分を複製できると聞きましたが、「一部分」とはどの範囲ですか。


  5. 利用者から、自分のデジタルカメラで図書資料を撮したいという相談をうけました。著作権の問題はありますか。


  6. 図書館のコピーサービスにおいて、コイン式複写機を使用して複写請求者自身に複製させることは認められるのですか。


  7. 図書館のコピーサービスは、当該図書館等の「図書、記録その他の資料」を用いて行うことができることになっていますが、この資料は書籍、雑誌等の紙媒体の資料に限定されているのですか。


  8. 引用が認められる条件として、著作権法では「公正な慣行に合致」することと、「引用の目的上正当な範囲内」で行われることとの2つが挙げられていますが、「公正な慣行」や「正当な範囲」とは、具体的にはどのようなものですか。


  9. 患者図書室からの質問です。当院では患者が自由に使用できるコピー機が、院内に設置されていません。 このたび、入院患者から「私物をコピーしたい」など希望があった場合、当館のコピー機で複写できないかと病院側から提案がありました。 具体的には、「ある趣味の雑誌の最新号を、患者が自費購入し、自分で使用するために複写したい。院内に患者が自由に使えるコピー機がないため、患者図書室のコピー機を使用できないか」ということです 私的使用であっても、第三十条一の「公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器を用いて複製」が適用されるのではないかと思うのですが・・・


  10. 患者さんが売店で購入した私物の雑誌(最新号)を、購入した本人が複写する場合、また購入した本人の許可を得た別人が複写する場合について教えて下さい。 著作権法第31条には「定期刊行物の当日、当月分の複写はできない」「複写部数は一人一部」とありますが、「私物は範囲外」と解釈すべきでしょうか。


  11. 図書室の新しい資料としてDVDやビデオカセットテープなどのマルチメディア教材を考えています。これらのマルチメディア教材を病院図書室に受け入れるとき、著作権料の支払い手続きは必要ですか? また、患者図書室で映像を使いたい場合、申請が必要でしょうか?


  12. 地方公共団体が作った成人向けメタボリックシンドロームの資料を複写して患者教育用に使いたいと思っています。 無償で配布されたパンフレットの著作権はどのように解釈されているのでしょうか。市役所の窓口などにおいてあるものは、すでにパブリックドメインと考えて良いでしょうか?


  13. 図書館等において、調査研究の目的でインターネット上の情報をプリントアウトしてもよいのでしょうか。


  14. インフォームドコンセントが求められる中で、医師が口頭説明をするだけでは、患者の充分な理解は難しいと思われます。医師が文献を複写して患者に渡すことは著作権上問題がありますか。


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 ▼Answer

A1. 著作権法では、図書室において一定の条件下でコピーサービスができるとしています。(第31条)

著作権法
(図書館等における複製)

第三十一条  図書、記録その他の資料を公衆の利用に供することを目的とする図書館その他の施設で政令で定めるもの(以下この条において「図書館等」という。)においては、次に掲げる場合には、その営利を目的としない事業として、図書館等の図書、記録その他の資料(以下この条において「図書館資料」という。)を用いて著作物を複製することができる。

 図書館等の利用者の求めに応じ、その調査研究の用に供するために、公表された著作物の一部分(発行後相当期間を経過した定期刊行物に掲載された個個の著作物にあつては、その全部)の複製物を一人につき一部提供する場合

 図書館資料の保存のため必要がある場合

 他の図書館等の求めに応じ、絶版その他これに準ずる理由により一般に入手することが困難な図書館資料の複製物を提供する場合

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A2. コピーサービスができる施設は、著作権法施行令第1条の3で定められています。

著作権法施行令

第一条の三 法第三十一条(法第八十六条第一項及び第百二条第一項において準用する場合を含む。)の政令で定める図書館その他の施設は、国立国会図書館及び次に掲げる施設で図書館法(昭和二十五年法律第百十八号)第四条第一項の司書又はこれに相当する職員として文部科学省令で定める職員が置かれているものとする。

 図書館法第二条第一項の図書館

 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条の大学又は高等専門学校(次号において「大学等」という。)に設置された図書館及びこれに類する施設

 大学等における教育に類する教育を行う教育機関で当該教育を行うにつき学校教育法以外の法律に特別の規定があるものに設置された図書館

四 図書、記録その他著作物の原作品又は複製物を収集し、整理し、保存して一般公衆の利用に供する業務を主として行う施設で法令の規定によつて設置されたもの

五 学術の研究を目的とする研究所、試験所その他の施設で法令の規定によつて設置されたもののうち、その保存する図書、記録その他の資料を一般公衆の利用に供する業務を行うもの

六 前各号に掲げるもののほか、国、地方公共団体又は民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の法人その他の営利を目的としない法人(次条から第三条までにおいて「公益法人」という。)が設置する施設で前二号に掲げる施設と同種のもののうち、文化庁長官が指定するもの

図書館法
(定義)

第2条 この法律において「図書館」とは、図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保有して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資することを目的とする施設で、地方公共団体、日本赤十字社又は民法(明治29年法律第89号)第34条の法人が設置するもの(学校に附属する図書館又は図書室を除く。)をいう。

2 前項の図書館のうち、地方公共団体の設置する図書館を公立図書館といい、日本赤十字社又は民法第34条の法人の設置する図書館を私立図書館という。

民法
(公益法人の設立)

第三十四条  学術、技芸、慈善、祭祀、宗教その他の公益に関する社団又は財団であって、営利を目的としないものは、主務官庁の許可を得て、法人とすることができる。

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A3. 原則として論文全体をコピーはできませんが、発行後相当期間を経過した定期刊行物に掲載された論文であれば例外的にその論文全体をコピーすることができます(第31条第1号)。
なお、「発行後相当期間経過」とは、一般的には次号が発刊されれば「相当期間経過」と考えられています。

(図書館等における複製)

第三十一条 図書、記録その他の資料を公衆の利用に供することを目的とする図書館その他の施設で政令で定めるもの(以下この条において「図書館等」という。)においては、次に掲げる場合には、その営利を目的としない事業として、図書館等の図書、記録その他の資料(以下この条において「図書館資料」という。)を用いて著作物を複製することができる。

一 図書館等の利用者の求めに応じ、その調査研究の用に供するために、公表された著作物の一部分(発行後相当期間を経過した定期刊行物に掲載された個個の著作物にあつては、その全部)の複製物を一人につき一部提供する場合

二 図書館資料の保存のため必要がある場合

三 他の図書館等の求めに応じ、絶版その他これに準ずる理由により一般に入手することが困難な図書館資料の複製物を提供する場合

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A4. 少なくとも半分を超えない範囲と解されています(著作権審議会第4小委員会報告書(昭和54年))
一部分というのは、著作物を単位にしており、例えば、地図帳であれば、地図帳の半分ではなく、掲載されている個々の図の一部分となります。

ただし、発行後相当期間を経過した定期刊行物に掲載された著作物を除きます。
(Q3 参照)

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A5. 一般的には著作権の問題はありません。著作権法では、私的使用のための複製(第30条第1項)を認めており、利用者は個人的な利用目的で、自己の機器を用いて自ら資料を複製することができます。

著作権法
(私的使用のための複製)

第三十条 著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。

一 公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器(複製の機能を有し、これに関する装置の全部又は主要な部分が自動化されている機器をいう。)を用いて複製する場合

二 技術的保護手段の回避(第二条第一項第二十号に規定する信号の除去若しくは改変(記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による除去又は改変を除く。)を行うこと又は同号に規定する特定の変換を必要とするよう変換された著作物、実演、レコード若しくは放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像の復元(著作権等を有する者の意思に基づいて行われるものを除く。)を行うことにより、当該技術的保護手段によつて防止される行為を可能とし、又は当該技術的保護手段によつて抑止される行為の結果に障害を生じないようにすることをいう。第百二十条の二第一号及び第二号において同じ。)により可能となり、又はその結果に障害が生じないようになつた複製を、その事実を知りながら行う場合

三 著作権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつて、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、その事実を知りながら行う場合

2 私的使用を目的として、デジタル方式の録音又は録画の機能を有する機器(放送の業務のための特別の性能その他の私的使用に通常供されない特別の性能を有するもの及び録音機能付きの電話機その他の本来の機能に附属する機能として録音又は録画の機能を有するものを除く。)であつて政令で定めるものにより、当該機器によるデジタル方式の録音又は録画の用に供される記録媒体であつて政令で定めるものに録音又は録画を行う者は、相当な額の補償金を著作権者に支払わなければならない

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A6. 図書館が、コピーに関する法律的・経済的な主体となっていれば、認められると考えられます。具体的には、図書館職員が、利用者からのコピー申込みを受付ける際と終了の際に複写物が著作権法の規定範囲内であるかを確認し、対価(実費)も適法なものとなるよう図書館が決定している場合は、複製請求者がコピー機の操作をしたとしても問題はないものと考えられます。

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A7. 紙媒体の資料に限定されません。録音物、録画物、CD- ROM等の電子資料なども含まれると解されています。

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A8. 「引用」とは、例えば自説を補強するために自分の論文の中に他人の文章を掲載しそれを解説する場合のことをいいますが、法律に定められた要件を満たしていれば著作権者の了解なしに利用することができます(第32条)
例えば、
[1]主従関係:引用する側とされる側の双方は、質的量的に主従の関係であること [2]明瞭区分性:両者が明確に区分されていること [3]必然性:なぜ、それを引用しなければならないのかの必然性 が該当します。

著作権法
(引用)

第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

2 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。

(出所の明示)

第四十八条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する著作物の出所を、その複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、明示しなければならない。

一 第三十二条、第三十三条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条の二第一項、第三十七条第一項若しくは第三項、第四十二条又は第四十七条の規定により著作物を複製する場合

二 第三十四条第一項、第三十七条の二、第三十九条第一項又は第四十条第一項若しくは第二項の規定により著作物を利用する場合

三 第三十二条の規定により著作物を複製以外の方法により利用する場合又は第三十五条、第三十六条第一項、第三十八条第一項、第四十一条若しくは第四十六条の規定により著作物を利用する場合において、その出所を明示する慣行があるとき。

2 前項の出所の明示に当たつては、これに伴い著作者名が明らかになる場合及び当該著作物が無名のものである場合を除き、当該著作物につき表示されている著作者名を示さなければならない。

3 第四十三条の規定により著作物を翻訳し、編曲し、変形し、又は翻案して利用する場合には、前二項の規定の例により、その著作物の出所を明示しなければならない。

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A9. 対価を支払い購入した私物を、私的使用のための複製ということであれば著作権者の了解なしにできることになっています。
三十条第一項には暫定措置として附則があり、「これらの規定に規定する自動複製装置には、専ら文書又は図画の複製に供するものを含まないものとする」とあります(附則第5条の2)。従ってご要望の複写は可能の範囲と思われます。

著作権法

(私的使用のための複製)

第三十条 著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。

一 公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器(複製の機能を有し、これに関する装置の全部又は主要な部分が自動化されている機器をいう。)を用いて複製する場合

二 技術的保護手段の回避(技術的保護手段に用いられている信号の除去又は改変(記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による除去又は改変を除く。)を行うことにより、当該技術的保護手段によつて防止される行為を可能とし、又は当該技術的保護手段によつて抑止される行為の結果に障害を生じないようにすることをいう。第百二十条の二第一号及び第二号において同じ。)により可能となり、又はその結果に障害が生じないようになつた複製を、その事実を知りながら行う場合

附 則(抄)
(施行期日)

第一条 この法律は、昭和四十六年一月一日から施行する。

(自動複製機器についての経過措置)

第五条の二 著作権法第三十条第一項第一号及び第百十九条第二項第二号の規定の適用については、当分の間、これらの規定に規定する自動複製機器には、専ら文書又は図画の複製に供するものを含まないものとする。

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A10. 31条は「図書館等における複製」となっており、図書館で所蔵している図書、記録その他の資料についての条文です。
ですから「私物はここに規定されていません。範囲外」と解釈すべきでしょう。
図書館で所蔵しているもの(つまり不特定多数が見る=公衆がみることを前提としている)と、私物で所蔵しているものは異なります。

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A11. 資料を対価を支払い購入する場合は、著作権料の問題は発生しないと思います。また、患者図書室での映像使用についても、病院内で患者さん、ならびにその家族を対象として映像を使用する場合は、非営利・無料であれば、問題はないと考えられます(著作権法38)。

(営利を目的としない上演等)

第三十八条 公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金(いずれの名義をもつてするかを問わず、著作物の提供又は提示につき受ける対価をいう。以下この条において同じ。)を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。ただし、当該上演、演奏、上映又は口述について実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この限りでない。

2 放送される著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、有線放送し、又は専ら当該放送に係る放送対象地域において受信されることを目的として自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものを含む。)を行うことができる。

3 放送され、又は有線放送される著作物(放送される著作物が自動公衆送信される場合の当該著作物を含む。)は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、受信装置を用いて公に伝達することができる。通常の家庭用受信装置を用いてする場合も、同様とする。

4 公表された著作物(映画の著作物を除く。)は、営利を目的とせず、かつ、その複製物の貸与を受ける者から料金を受けない場合には、その複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。)の貸与により公衆に提供することができる。

5 映画フィルムその他の視聴覚資料を公衆の利用に供することを目的とする視聴覚教育施設その他の施設(営利を目的として設置されているものを除く。)で政令で定めるものは、公表された映画の著作物を、その複製物の貸与を受ける者から料金を受けない場合には、その複製物の貸与により頒布することができる。この場合において、当該頒布を行う者は、当該映画の著作物又は当該映画の著作物において複製されている著作物につき第二十六条に規定する権利を有する者(第二十八条の規定により第二十六条に規定する権利と同一の権利を有する者を含む。)に相当な額の補償金を支払わなければならない。

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A12. 広報資料などには、最近「自由利用マーク」が附されていることが見られるようになってきました。これはわかりやすく自由に利用できるよう、文化庁がこのマークの使用を推奨しているためです。
官公庁において、広報用として作成されたものについてはおっしゃるとおり、パブリックドメインとして考えてよいと思われます。

著作権法
(引用)

第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

2 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。

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A13. インターネット情報のプリントアウトについては、平成17年8月25日の文化庁著作権法制問題小委員会で審議の経過が報告され、それには以下のようにあります(抜粋)。

「図書館や公民館等に設置されたインターネット端末を使用して情報をプリントアウトする行為については、その端末の利用者が行為主体であると考えられる。したがって、利用者のこうした行為が、第30条第1項の「私的使用のための複製」に該当する場合や、インターネット上の情報の複製に明示又は黙示の許諾があると考えられる場合など、現行法の枠組みでも自由に行い得るケースが存在するという意見があった。
現在までのところ、企業活動を目的とする場合を含めて、インターネット上に公開された情報のプリントアウトについて紛争になったことはほとんどない状況であり、本件については、直ちに立法措置に関する具体的な検討に入る必要は認められない。」

著作権法
(私的使用のための複製)

第三十条 著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。

一 公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器(複製の機能を有し、これに関する装置の全部又は主要な部分が自動化されている機器をいう。)を用いて複製する場合

二 技術的保護手段の回避(第二条第一項第二十号に規定する信号の除去若しくは改変(記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による除去又は改変を除く。)を行うこと又は同号に規定する特定の変換を必要とするよう変換された著作物、実演、レコード若しくは放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像の復元(著作権等を有する者の意思に基づいて行われるものを除く。)を行うことにより、当該技術的保護手段によつて防止される行為を可能とし、又は当該技術的保護手段によつて抑止される行為の結果に障害を生じないようにすることをいう。第百二十条の二第一号及び第二号において同じ。)により可能となり、又はその結果に障害が生じないようになつた複製を、その事実を知りながら行う場合

三 著作権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつて、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、その事実を知りながら行う場合

2 私的使用を目的として、デジタル方式の録音又は録画の機能を有する機器(放送の業務のための特別の性能その他の私的使用に通常供されない特別の性能を有するもの及び録音機能付きの電話機その他の本来の機能に附属する機能として録音又は録画の機能を有するものを除く。)であつて政令で定めるものにより、当該機器によるデジタル方式の録音又は録画の用に供される記録媒体であつて政令で定めるものに録音又は録画を行う者は、相当な額の補償金を著作権者に支払わなければならない。

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A14. 上記、著作権法第32条の範囲内と考えられます。厚生労働省の省令告知などでインフォームドコンセントで患者への説明の必要性が通知されており、公正なものと判断できます。また患者という「公衆」に対しての提供であり、同法48条に規定されている著作物の出所を明示すれば問題ないと考えられます。

著作権法
(引用)

第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

2 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。

 

(出所の明示)

第四十八条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する著作物の出所を、その複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、明示しなければならない。

一 第三十二条、第三十三条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条の二第一項、第三十七条第一項若しくは第三項、第四十二条又は第四十七条の規定により著作物を複製する場合

二 第三十四条第一項、第三十七条の二、第三十九条第一項又は第四十条第一項若しくは第二項の規定により著作物を利用する場合

三 第三十二条の規定により著作物を複製以外の方法により利用する場合又は第三十五条、第三十六条第一項、第三十八条第一項、第四十一条若しくは第四十六条の規定により著作物を利用する場合において、その出所を明示する慣行があるとき。

2 前項の出所の明示に当たつては、これに伴い著作者名が明らかになる場合及び当該著作物が無名のものである場合を除き、当該著作物につき表示されている著作者名を示さなければならない。

3 第四十三条の規定により著作物を翻訳し、編曲し、変形し、又は翻案して利用する場合には、前二項の規定の例により、その著作物の出所を明示しなければならない。

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